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日経新聞の広告にストーリーを探す

日経新聞をパラパラめくると、

様々な広告が目に入ってきます。

新刊小説、カミソリ、不動産投資、メーカー…

業種業態はいろいろ。

当然、広告費用をかけて掲載しているので、

どの会社も、気合が入っています。

そんな中、今日の朝刊に

「ストーリー」を活用しよう!

という、意気込みを感じさせる広告を発見しました。

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農林中央金庫の広告です。

「大切なのは、森林に今まで以上の社会的・経済的な価値を創っていくこと。」

・震災後、岩手県に木材の集積場をつくった

・運搬コストを削減し、林業関係者の収入確保に貢献している

・これからも森林資源を次世代につないでいきたい

こうしたメッセージが込められています。

一見すると、

「良いこと書いているなぁ!」とは感じます。

「農林中央金庫のミッションを伝えたい」

「東北との深いつながりをストーリー性をもって伝えたい」

という狙いは感じます。

…が、この広告には、

「人を動かすストーリー」には欠かせないものが欠けています。

 

良いお話=ストーリーではない!

先ほどの広告を詳しく読むとわかること。

それは、この広告のストーリーの中心は、

「農林中央金庫」だということ。

文面には現れていませんが、

主語は、「弊社は、」なのです。

そのため、

「なんとなく良いことが書かれている」とは感じますが、

共感には至らない。

・ホームページを見てみよう

・問い合わせをしよう

・人に伝えよう

とはならない。

ズバリ言うと、

「人を動かすストーリー」には欠かせない、

 

「読者の居場所」が欠けているのです。

 

 

ストーリーに欠かせない「主人公」

ストーリーが、なぜ人々を動かすか。

それは、読者はストーリーの主人公に共感をし、

自分を重ねるからです。

マニアックな例ですが、

お笑いコンビ「麒麟」の田村裕の自叙伝を映画化した

『ホームレス中学生』にこんなシーンがあります。

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家を失いホームレス生活をしていた田村少年。

空腹に耐えかねる日々を送っていたのですが、

近所のおばちゃんの助けで住む家をゲットし、

安らげる場所を手に入れたかに思えました。

が、とあるきっかけで、家出することになり…

自転車でふらついていたところを、警察に保護されてしまいます。

警察にお兄さんが迎えに来てくれ、家へ帰る途中、

お兄さんは、なけなしのお金で牛丼を奢ってくれます。

生卵と、紅ショウガと、七味がかかった牛丼。

「甘くて辛くて酸っぱくて、うまいだろぉ?」

たしかこんな感じの、お兄さんのセリフに家族の愛を感じてじんわり。

そして、無性に牛丼が食べたくなり…

僕は近所の吉野家に走りました。

映画を見ながら、田村少年に自分を重ねていたのです。

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このエピソードのポイントは、

「共感を生み出すからこそ、ストーリーは人を動かす」ということです。

そして、共感の源は、

読者が感情移入できる「主人公」を用意してあげること。

広告やコピーライティングの場合、

「主人公」=「読者」=「未来のお客様」なのです。

主語が、「弊社は」や「この商品は」だったら、

どんなにストーリー風の文章を書いても、

読者は共感しづらい。

大切なのは、「共感できる主人公」なのです。

 

英國屋のストーリー

今日の日経新聞の中から、

ストーリーを感じさせる広告を紹介しましょう。

オーダーメイドスーツの「英國屋」の小さな広告です。

『品格を贈る』

英國屋のギフトカード

エグゼクティブに相応しい装い

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言葉はたったこれだけですが…

主人公が誰かはハッキリ伝わってきます。

ワンランク上の装いをしたい男性。

つまり、「ビジネスマンのあなた」です。

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そんなあなたが英國屋のスーツを身にまとうと…

上質な着心地に満足することでしょう。

あなたの大切な人に、英國屋のギフトカードを送ってみましょう。

上質な気遣いに、きっと彼は心から感激することでしょう。

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短い言葉から、

こうしたメッセージが感じられます。

気づけば気分は英國屋のスーツに身を包んだビジネスマン!

オーダーメイドのスーツを纏った時の満足感を想像せずにはおれません!

 

良いストーリーの世界観

ストーリーのある広告の例をお伝えしました。

良いストーリーには共感があります。

さらには、そのストーリーならではの世界観があります。

英國屋の書体やロゴ、メッセージからは、

・妥協のない品質

・歴史に裏打ちされた洗練さ

・一人のお客様を大切にするホスピタリティ

が感じられます。

英國屋の世界観が、この広告に現れているのです。

だからこそ、より深く、ストーリーに共感させられるのです。

ちなみに、僕はこの広告を見て、

英國屋のホームページにアクセスしました。

すると…そこにも英國屋の世界観が現れていました。

売り込みはなし。

英國屋こだわりのスーツやネクタイの写真が載っている。

飾らないページ構成に、

「言葉で語る必要はない、触れればわかる」

英國屋のプライドと世界観が感じられました。

 

ストーリー調だから、人は共感するわけではない。

「人を動かすストーリー」には、主人公が欠かせません。

読者であり、未来のお客様が共感できる主人公を登場させてあげる。

そして、世界観を伝えてあげる。

これが大切です。

TVのCMや、電車の吊り広告、ポスター

ストーリー調の広告を目にした時、

主人公は誰か?を考えてみると面白いでしょう。

共感できるストーリーの共通点が見えきますよ!

 

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アラヤ ノブトシ

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