2つのパン屋の違いは…ストーリー
パンが好きな僕。
大阪市内を歩いていて美味しそうなパンを見つけると、ついつい立ち寄ってしまいます。
最近見つけたのは、木村屋というパン屋。
難波のデパ地下に出店しているのですが…正直に言って買うか迷いました。
というのも、隣にもパン屋があり、そちらの方が洗練されて見えたのです。
木村屋は、プラスチックのトレーにパンが並んでいて、
見るからに「昔ながらのパン屋」という印象。
味の想像がつく気がしたのです。
ところが、店員さんの一声で、僕は木村屋のパンを買うことに決めました。
「うちが大阪で一番古いパン屋なんですよ〜!」
興味を示した僕に、さらにこう言うのです。
「あんパンの発祥も木村屋です。見た目は古めかしいけど、残すべき伝統を残しているからなんです。」
なるほど!
100年続いているパン屋ならではのこだわりが今も生きているのだと、僕は感じ取りました。
気づけば、1個1,000円する大きなパンを買ってしまっていました。
洗練された雰囲気のパン屋と、古めかしい木村屋。
僕が選んだのは、木村屋でした。
その選択を分けたのは、木村屋の店員さんが語るストーリーの力です。
ストーリーがあると価値が上がる…らしい。
先ほどの例は、パンでした。
食べ較べれば同じぐらい美味しかったであろう2つのパン屋。
一方にはストーリーがあり、一方にはありませんでした。
不思議なのは、ストーリーを聞いた瞬間、木村屋のパンが美味しそうに見えてきたことです。
包装が古い、陳列が古い…
それは、100年の歴史が息づいているから。
ある意味マイナスになりかねない特徴が、ストーリーを語られることで一気にプラスに変わったのです。
あなたも、このような経験をしたことはありませんか?
例えば…
なんの変哲も無い(と思っていた)カフェ。
20年越しの夫婦の夢が叶ってオープンしたのだと知った瞬間、ファンになってしまった…
とか。
購入を迷っていた時、営業マンがその商品を勧める理由を聞かされ、購入を決意した…
とか。
ストーリーが語られることで、目の前の商品やサービスの価値が一気に高まったというのは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
ストーリーとは…
もう一つ、ストーリーによって、買わされたエピソードをお話しましょう。
あれは、僕が大学3年の頃。
大学の近くのアパートで一人暮らしをしていたのですが、
ある日、新聞販売員が営業にきました。
月に3,500円の出費は、学生にとっては大きい。
僕はすぐに断ろうと思いました。
ところが、新聞販売員はこんなストーリーを言って聞かせてきたのです。
「僕は、お笑い芸人目指して田舎から出てきたんです。
朝早く新聞を配って、昼間は営業頑張ってます。
超新塾のドラゴンも一緒に頑張ってるんですよ。
お宅のポストに、ドラゴンや僕が毎朝新聞を入れるんで、応援する気持ちで読んでください。」
(※ドラゴンは、その数年後、超新塾を脱退)
彼は、そんなストーリーをパワフルに話しました。
超新塾はそこそこ好きでしたが、ファンという程ではありません。
が、僕は新聞を取ろうと決意しました。
同じ地方出身者として、夢を目指して頑張る彼に共感してしまったのです。
ストーリーがあるところに生まれるもの。
それは、感動です。
単に、淡々とメリットやスペックを聞かされても、商品の価値は伝わらない。
ところが、ストーリーを語られた瞬間、激しい共感が生まれファンにならずにいられない。
そんな感動を生み出し、人をファンにする力がストーリーにはあります。
あなたのビジネスにストーリーはありますか?
ここであなたに質問です。
あなたのビジネスにストーリーはありますか?
いきなり聞かれると、答えに困るかもしれません。
これまでに様々な方と関わった感覚からすると、
「ストーリーが無いことは無いが、言葉にはなっていない」
そういう方が多いと思います。
そうなのです。
想いがあってやっているビジネスには、ストーリーの種が埋まっているもの。
創業のきっかけ
逆境を乗り越えたエピソード
思い出深いお客様との関係
ストーリーの流れになっていないだけで、その原型は誰もが持っているものです。
ここで考えて欲しいのは、「ストーリーがあなたのビジネスの価値を高める」という可能性について。
パン屋の木村屋。
新聞配達のお兄さん。
いずれも、ストーリーを聞く前と聞いた後で、物質的な価値は変わりません。
(パンはパン。新聞は新聞です。)
けれど、ストーリーを聞かされた後、パンは昔ながらの美味しいパンに、
新聞はお兄さんが一生懸命配達する新聞に変身しました。
元々の価値に、ストーリーの価値が上乗せされたのですね。
この「ストーリーの価値」
あなたのビジネスにはありますか?
もしも、言葉になっていないだけなら…カタチにすることで、新しいファンと出逢える可能性が広がりますよ☆
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