車のCMから見える「コンセプト力」の差
元HONDAの僕。
在職中は、
New Next Nippon Norimono
でお馴染みの、Nシリーズに携わっていました。
そんな僕なので、今でも自動車メーカーの動向には、
他の業界よりも少しだけ気を配っています。
ところで、今日お伝えしたいのは、「コンセプト」の力について。
実は、自動車メーカーには、
「コンセプト」で押しているメーカーと、
「差別化路線」のメーカーがいます。
差別化で売っていっているメーカーは、
少しずつジリ貧になっていくでしょうし、
コンセプトで押せているメーカーは、
コンセプトさえ間違えなければ、より支持されていくはず!
各メーカーのTV CMから読み取れる、コンセプト力についてお話ししましょう。
あなたは、どのメーカーに共感しますか?
なんでも積めるというUSPは有効か?
ドデカクつかおうWAKE
WAKEのCMはこちら↓↓↓
https://www.daihatsu.co.jp/cm/wake/index_08.htm
とにかくデカくて、とにかくなんでも積める。
自転車でも、スノーボードでもなんでも!
とにかくデカい!!
そんなイメージで押している、ダイハツ「ウェイク」
CMには玉山 鉄二を起用。
あらゆるレジャーシーンでウェイクが活躍できることを、
コミカルに表現しています。
ドデカクつかおう!
これって、コンセプト・マークの図で言うと、どこを狙っているでしょう?
もちろん、howの部分ですよね。
他の車にはない「デカさ」でなんでも積める!
これがウェイクのUSP
ちなみに、開発時、ウェイクは通称「デカデカ」と呼ばれていました。
コンセプトは、一貫してぶれていない。
そして、CMでUSPの部分を見せている。
それがダイハツの特徴です。
ちなみに、この点を意識しながらダイハツのCMを見ると…
ウェイクと同じような見せ方の車が多いことに気づきます。
MOVEは、他より上質な点を強調しているし、
TANTOは、ピラーレスで乗り降りが楽な点が強調されています。
機能の差別化押し。
それがダイハツです。
ちなみに、同じく軽自動車がメインのスズキは、
有名人を起用した、イメージCMが多いです。
TOKIO、ももいろクローバーZ、渡辺謙…
人気者押しですね。
正直に言うと、
コンセプトの魅力に欠け、
一発で差別化できる強みも乏しいので、
人気者のイメージ力で勝負している感が否めません。
コンセプトで勝負のHONDA
一方、HONDAのCMは特徴的です。
なんせ、芸能人が出てこない!
車が出てきて、その世界観に合う音楽や背景が映し出され、ポンっとコンセプトが出てくる。
こんな作りのCMが多いです。
例えば、SUVのヴェゼル。
CM動画はこちら↓↓
http://www.honda.co.jp/movie/201609/vezel01/index.html
冒頭に、HONDAのコーポレートメッセージ
The Power of Dreamsが出たかと思うと…
その後はヴェゼルがただただ走る。
そして、最後にコンセプトが一言。
そのクルマ、
世界ヴェゼル。
この言葉、意味わかりますか?
僕にはイマイチ。。
ただ、「なんか気持ち良さそうなクルマだな」ということが伝わってきます。
これは、コンセプトが伝わっているということ。
頭での理解ではなく、右脳に訴えかけられるのが、コンセプトの力。
他のHONDAのCMも、こうした作りのモノが多いです。
差別化ではなく、それぞれの車の世界観やコンセプトを表現する!
これが、HONDAのこだわりなのですね。
失速する日産のコンセプト風な訴求
最後に、日産についても触れておきましょう。
矢沢永吉を起用し、新しいイメージを訴求しようと頑張る日産。
(セレナ✖️矢沢→動画を見る)
技術の日産が、
人生を面白くする。
このコンセプトは、果たして観る人に届いているのでしょうか?
と、言うのも、
軽自動車の燃費改ざん問題があったり、
何が武器かわからない70点の車が多い中、
突然、「技術の日産」と言われても…腑に落ちません。
このポイントについては、別の機会に詳しく触れますが、
コンセプトは、その人/企業/商品・サービスの根っこそのもの。
つまり、がっしりと強いものである必要があります。
そのため、弱い土台に、キャッチーな言葉を貼り付けても、
胸を打つコンセプトにはなり得ないのです。
今日のまとめ
・差別化で勝ちにいくなら、強いUSPが必要!
・本当のコンセプト力とは、「強い土台に根ざしたコンセプト」
世の中のCMに目を向けると、このポイントがより分かってきますよ!!
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