「シン・ゴジラ」
始まりましたね。
「シン・ゴジラ」
何を隠そう、映画ゼミで日夜映画を研究していたアラヤとしては、
話題作のチェックは欠かせません。
公開3日目にして、早速劇場に足を運びました。
キャッチコピーは、「日本 対 ゴジラ」
まさに、ゴジラに対して、日本人が立ち向かうという構図です。
感想は…「絶対、観るべき!」
好きな映画トップ10に入ってきますね。
すごい!
面白い!
感動した!
こうしうレビューは、他の人に任せて、
僕は僕なりの観点で読み解きたいと思います。
ストーリーの型で読み解くと…
ゴジラシリーズと言うと、怪獣映画とイメージしがち。
ウルトラマンシリーズのような特撮物と並列で扱われがちです。
とは言え、ストーリーの型で言うと、
両者は全く別の映画です。
ウルトラマン=水戸黄門
ジャンルで言うと、「進め!スーパーヒーロー」というジャンルです。
このジャンルの特徴は、
・頼れるスーパーヒーローが、
・懲らしめるべき悪を、
・紆余曲折を経てやっつける
この3拍子が揃うのが、「進め!スーパーヒーロー」というジャンルです。
ちなみに、ゴジラシリーズも、それぞれの作品でジャンルが異なります。
ビオランテ、デストロイヤー、キングギドラ、ガイガン…
こうした、地球に害をなす怪獣に立ち向かい、
地球を守ってくれる作品もありつつ、
今回の作品のように、真っ向から人間の前に立ちはだかる作品もある。
同じゴジラシリーズでも、「ジャンル」は全く違うのです。
では、今回のゴジラは…
「凡人の逆襲」というジャンルです。
ゴジラという圧倒的脅威 VS 人間
という構図でストーリーは展開します。
ある日突然、海から現れた未確認生物に蹂躙される東京。
指揮系統の統制がとれず、手出しは全くできない。
海へ帰っていくのを待つのみ。
まるで、台風が過ぎ去るのを待つような雰囲気。
が、しかし!
人間も黙っていません。
骨太な対策チームが結成され、不眠不休でVSゴジラの作戦を練り…
最後には…!!
という、逆襲劇が展開されます。
このジャンルの特徴は、
主人公=観客
つまり、主人公は、観ている人が自分を重ねられる普通の人間だという要素。
そして、そんな普通の人間が、勇気を出して難題に立ち向かうという要素です。
ちなみに、「ダイ・ハード」も同じジャンルです。
(初期の)「進撃の巨人」も、このジャンルです。
目の前に迫る無理難題に否応なしに立ち向かわねばならない!
そんな世界観が描かれています。
「ジャンル」と「テーマ」を分けて考える
ちなみに、「シン・ゴジラ」は「凡人の逆襲」というジャンルですが…
「ジャンル」と「テーマ」は分けて考えることができます。
ジャンル=ストーリーの型
テーマ=取り扱う主題
同じ「進め!スーパーヒーロー」というジャンルでも、
取り扱うテーマには、様々なバリエーションがあるのです。
水戸黄門=黄門様 VS 悪代官
ウルトラマン=巨大変身ヒーロー VS 宇宙怪獣
デトロイトメタルシティ=ヨハネ・クラウザーⅡ世 VS ジャック・イル・ダーク
スパイダーマン=蜘蛛男 VS ゴリーン・ゴブリン等のモンスター
ジャンルは同じなのに、テーマが違えば、全く違う作品に仕上がるのです。
では、「シン・ゴジラ」は?
これまでの作品のゴジラは、「巨大怪獣」というイメージが強かったです。
裏側には、反原子力!のメッセージは込められているものの、
「ゴジラ」には悪い怪獣をやっつけようとする人情味が感じられました。
ところが、今回の作品のゴジラは、これまでと大きく違っています。
何が違うか…
今回は、「超・自然的」なんです。
まるで、台風のような、「自然の意思で動いている」感覚があります。
街を破壊しようという意思は感じられず、
ただ来て、ただ帰るという印象。
ゴジラを制止しようと奔走する人たちは、
震災に立ち向かう人々の姿と重なりました。
それぐらい、「ゴジラ=自然の脅威」でした。
あるいは、「核の脅威」と言っても良いかもしれません。
そのため、テーマ=ゴジラという脅威なんですね。
今から20年前に「アウトブレイク」という映画がありましたが、
それに近いテーマ性です。
こう考えていくと…
映画のとらえ方が変わりますよね。
ついつい、「好きな映画は?」「恋愛もの〜」みたいな会話をしがちですが、
それは、「テーマ」のことを言っているだけで、
「ストーリー」については何も語れていない。
もしも、ストーリーに目を向けるなら、ジャンルで語ったほうが良いんです。
徒然と書いてしまいましたが・・・
「シン・ゴジラ」は観るべき映画です。
特に、日本人は。
映画の見方については、またどんどん書きたいと思います。
お知らせコーナー
More from my site
アラヤ ノブトシ
最新記事 by アラヤ ノブトシ (全て見る)
- サイトのデザイン変わります。 - 2017-07-07
- 中小企業の死活問題!?「ヒューマンウェア教育」が今後の課題! - 2017-07-07
- 教育はクリエイトする時代 - 2017-05-27