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「日本死ね」が広がった理由は「臨場感」

ニュースを賑わす、「保育園落ちた日本死ね」の匿名記事。

衆議院の予算委員会で取り上げられた後、

「保育園落ちたの私だ」とプラカードを持ち、

国会前でデモをする人も現れました。

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主張の内容、

政治の場で匿名記事が扱われることの是非、

出産・育児を巡る問題点等々、

様々な切り口で語られる今回の騒動。

いずれ親になる僕として、他人事じゃないという思いもあります。

匿名の記事が政治の場面に出てきてしまうメディアのあり方に、

違和感を覚えもしました。

言いたいことはたくさんある!

が、僕は別の切り口から、この騒動を捉えたいと思います。

ズバリ、匿名ブログの何がここまで人を動かしたのか?

その理由に迫ります。

 

結論から言うと、

今回のブログがムーブメントになったのは、

「臨場感」があったためです。

今回のブログは、

「保育園に落ちたことに対する怒りを吐き出すために書かれた文章」

そのため、最初からムーブメントを生み出す目的で書かれたわけではありません。

「臨場感」がムーブメントにつながったというのは、

あくまで結果的にそうなったということ。

ですが、WEBで情報を発信し、人を動かすためのヒントが隠れているのは事実。

今回は、そのヒントを掘り下げてみましょう!

 

「臨場感」が人を動かす理由

まず、「臨場感」とは何なのか?

「臨場感」とは、

実際に見聞きしているような、

リアルな感情・感覚を味わわせる感覚のこと。

「臨場感」の例をいくつかご紹介しましょう。

例えば、3D映像。

数年前に、映画「アバター」が劇場で3Dで公開された時の反響はすごかった!

それ以来3Dの映画が一般的になりました。

家庭用の3Dテレビが発売されたりもしましたよね。

僕が初めて3Dを体感したのは、高校の修学旅行の時でした。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで、

「ターミネーター」のアトラクションに入ったのですが…

映し出されているのは、あくまで「映像」だとわかっているのに、

画面から飛び出す炎や弾丸に思わずのけぞってしまいました。

まるで、「ターミネーター」の世界にいるような、

恐怖や緊張。

映画館で見る映像とは違う、

リアルな「臨場感」を感じた初めての体験でした。

 

もう一つ例を挙げましょう。

あなたは、小説を読んで涙したことはありますか?

小説は文字です。

3D映像のように、目の前に世界が映し出されるわけではありません。

が、小説の中で描かれた情景が、

過去の記憶と結びつき、リアリティを感じることはあり得ます。

恋愛小説を読んでいた時、

過去の悲しい失恋の記憶が呼び起こされ、

あの時味わった切なさが込み上げ…涙してしまった。

このように、文字だけで人に「臨場感」を味わわせることはできるのです。

 

では、「日本死ね」の匿名ブログが、

こうも人を動かしたのはなぜか?

ブログに書き綴られた、生々しい怒りが、

同じ怒りを持つ読者の感情を呼び起こしたからです。

「何なんだ!」

「どうすればいいんだ!」

「いい加減にしろ!」

怒りのまま吐き出された言葉なだけに、非常に「臨場感」があります。

目の前で話されているかのようなリアリティを感じます。

 

仮に、この文章が、整理されたですます調だったら…

オリンピックで何百億円を使うなら、保育園を増やして欲しいです。

エンブレムのデザイナーに大金を払うなら、保育園を増やして欲しいです。

このままでは、会社を辞めねばなりません。

どうすれば良いのでしょう?

こうしたタッチで書かれていたら、

「なるほど、私もそう思う」程度の共感は生んでいたでしょう。

しかし、日本中を巻き込むムーブメントにはなっていなかったはずです。

やはり、リアルな感情を呼び起こす「臨場感」が、

今回のムーブメントの鍵だったのです!

 

「臨場感」を生み出すにはストーリー!

Webで「臨場感」を生み出し、人を動かすにはどうすれば良いのか?

仕事として、情報発信をしている人からすると、

「日本死ね」の匿名ブログは「禁じ手」です。

こうも感情的で攻撃的な文章を、仕事として書くのはNG。

狙ってムーブメントを起こすことはできないでしょう。

 

では、どうすれば良いか?

活用すべきは、「ストーリー」です。

人を自然と共感させ、感情を揺さぶるのに「ストーリー」の力を活用すると良いのです。

 

例えば、今回のブログをストーリー調にしてみると…

結婚して3年、私たち夫婦は待望の第一子を授かりました。

「生活はかつかつだけど、二人で力を合わせれば何とかやれるよな?」

「うん、大丈夫。私、これまで通り働くから」

待ち望んだ慎ましい暮らしは目の前…

ところが、明るいはずの未来は、たった一枚の紙切れによって砕かれました。

私は、保育園に落ちたのです。

 

数行の短いストーリーですが、

夫婦の落胆を伝えることは可能です。

短くても、

登場人物とイベントがあれば、「臨場感」は生み出せるのです。

 

大幅に脱線しましたが、匿名のブログが

人を動かした理由を掘り下げてきました。

リアルな感情を引き出す「臨場感」。

それこそ、今回のムーブメントの鍵だったのです。

そして、「臨場感」を狙って生み出すためには、

「ストーリー」が大切。

ほんの数行でも、人を動かすことが可能です!

 

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ストーリーに絶対欠かせないものとは!?>>

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