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抹茶ブーム=日本文化ブーム?

2年ほど前から世界に広がる抹茶ブーム。

ニューヨークでは抹茶カフェが流行し、

東南アジアでは様々な料理に抹茶が使われているそう。

僕が住む大阪でも、抹茶ブームは続いており、

菓子店はもちろん、ドラッグストアでも、

抹茶味のお菓子コーナーが設けられています。

 

飛ぶ鳥を落とす勢いの抹茶ブーム。

ほんの数日前までは、特に気に留めていませんでした。

が、nana’s green teaでグリーンティーラテを飲みながら休憩していた時、

気になる会話を耳にしてしまいました。

IMG_4985

それは、隣の席に座ったOLと思われる女性二人組の会話。

<OLの会話>
OL A:やっぱり抹茶は和むー。

この渋みが絶妙だよねー。

OL B:そうそう。

コーヒーにはない奥深さがあるよね。

そりゃ、抹茶ブームになって当たり前。

抹茶に目をつけた外国人は素晴らしいね。

OL A:うんうん。

抹茶ブームはまだまだ続くよね。

だって、日本文化って素晴らしいもん。

抹茶ブームっていうか、 日本文化ブームって感じじゃない?

OL B:かもねー。

やっぱりワビサビだよ、ワビサビ。

日本ブームきてるねー。

 

こんな会話が、お隣の席で繰り広げられていたのですが…

とても引っかかりました。

本当に、「抹茶ブーム=日本文化が素晴らしいから」なのでしょうか?

僕は、そうではないと思うのです。

 

抹茶の何が外国人に響いているのか?

 

そもそも、抹茶ブームとは何なのか?

発端は、スターバックスが日本からアメリカに逆輸入した

「抹茶ティーラテ」だったと言われています。

美味しさと、健康への期待から、

セレブや流行に敏感なニューヨーカーへと

抹茶の魅力は広がりました。

さらに、抹茶を専門的に扱う、

「抹茶カフェ」がオープンし、

抹茶ブームは確固たるものになったのです。

ニューヨークでの抹茶ブームの理由は、

「健康的でクールだから」

 

一方、日本国内では…

外国人観光客が、抹茶味のお菓子を買い漁るという現象が起きています。

 

これは、2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、

和食に注目が集まったから。

そして、抹茶味のお菓子にも人気が波及したからだと言われています。

例えば、キットカットの抹茶味は、

一度食べた人を感動させているようで、

売上は5年間で10倍になっているそう。

 

抹茶味のお菓子が美味しい!という口コミ

実際に購入、実食

やはり、抹茶味は美味しい!とさらに話題に!

さらに多くの観光客が購入

 

という流れで抹茶味のお菓子ブームが続いているようです。

 

ニューヨークでは、抹茶の「健康的でクール」というポイントが響いた。

日本へ来る観光客には、抹茶味のお菓子の「美味しさ」というポイントが響いた。

抹茶ブーム=日本文化ブームと図式化するのはわかりやすいですが、

抹茶の何が、外国人に響いているのか?

そのポイントをとらえないと、

ブームの本質は見えません。

 

抹茶ブーム

=スタイリッシュで健康的

=とにかく美味しい!

こうしたベネフィットが

多くの外国人に響いているのです!

 

日本人が韓国で焼肉を食べるのはなぜか?

 

「抹茶ブーム」を日本文化がウケている!

と、とらえてはいけない!

このポイントを実感するために、他の例をお伝えしましょう。

「韓国に行った日本人が、焼肉を食べて帰ってくる」

これはなぜでしょう?

 

その理由は、「美味しいから」です。

 

・ガイドブックに、人気の焼肉店が載っている。

・韓国に旅行に行った友人が「美味しかった!」と感動していた。

・旅番組で韓国特集を見て、「私も食べたい!」と思った。

 

そのため、韓国に行ったからには、

焼肉を食べ、「美味しかった!」と感動したいのです。

別に焼肉文化の真髄に迫りたいという訳ではない。

美味しい!というベネフィットに魅力を感じ、

焼肉屋に人が集まるのです。

 

台湾への観光客が、烏龍茶を買ってくるのも、

本場のお茶は、日本で飲む烏龍茶より段違いに美味しいから。

その美味しさに感動するからこそ、

烏龍茶を買うのです。

台湾のお茶文化が人を感動させるのではなく、

格段に美味しい!というベネフィットが人を感動させるのですね。

 

人は何に感動しているのか!?

 

抹茶ブームを通して思うのは、

「文化そのものを発信する」では的外れだということです。

もしも、抹茶ブーム=日本文化ブームととらえてしまったら…

・千利休に関するガイドブックを作ろう!

・売り場に日本文化を発信するフリーマガジンを置こう

・風呂敷や急須も置いてみよう!

と、なりかねない。

これでは、「美味しい!」、「スタイリッシュで健康的!」

というベネフィットを求める人を感動させることはできません。

 

・抹茶味のお菓子の人気ランキングコーナーを作る

・なぜコーヒーより抹茶なの!?というPOPを作る

こうしたプロモーションの方が、

外国人にとって嬉しいのです。

 

人は本当には何に喜んでいるのか?

そのポイントをとらえ、的確に伝えてあげる。

これが大切です。

 

何かが流行っているなら、

その流行に乗っかる前に一呼吸。

何がこんなにも多くの人を感動させているのか?

 

その感動をさらに大きくするには、

どんな仕掛けが効果的なのか?

深堀して考えてみましょう!

 

それにしても、nana’s green teaは居心地がいいですね!

グリーンティーラテも美味しいです!

客層も、女子高生から年配の方まで幅広い。

nana’s green teaの何が、人を感動させるのか?

深堀してみると面白そうです。

 

 

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